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高い城の男/ フィリップ・K・ディック 感想

感想

 

 伊藤計劃繋がりで(つながってませんが)読みました。端的に言うと大衆小説になれた私にとっては面白くなかったです。

 

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

 

  私はSFは全く読まないのですが、なんとなくストーリー重視の展開が面白い本というのを想像していました。ですが実際は哲学的な、登場人物の内面に焦点がおかれた作品でした。ストーリーも何か大きな事件が起きてそれを主人公たちが解決するとかいうものではなく、登場人物が自分の内面と向き合い解決したところで終了します。ただし話が練られていないかというと全くそんなことはなく、筋が通っているうえにものすごいリアリティもあります。だからここに書くのは名作を読み解けなかった私の愚痴と言い訳です。

 私は伊坂幸太郎から読書にはまったのですが、高い塔の男のように登場人物がたくさんでてきて段々と彼らの繋がりが明かされていく群像劇ものと聞くと伊坂幸太郎を思い出さずにはいられません。彼の小説はストーリー上に様々な伏線が散りばめて合って、終盤で回収、どんでん返しというのが典型パターンです。

 しかし高い塔の男は登場人物に一応繋がりはありますがそこまで密接にかかわっているわけでもなく、伏線もない。(私が読み取れていないだけの可能性が非常に大きいです。読み取りミスがあったら教えてください。)つまり私にはまだ早かったようです。その代わり心理描写に力が入っていて、作品のテーマも練ってあります。

 あと気になったのが易経の描写。作中では様々な場面で易経という占いがでてくるのですがその説明が細かい。細かすぎる。卦とか爻とか意味わからん占い用語がやたらめったら出てきます。じゃあggればいいじゃんって指摘はもっともで反論もできないのですが複雑そうで調べるのがめんどくさかったです。

 そして説明なしに出てくる固有名詞の数々。高校の世界史すら覚えていない人間としてはどれが実在でどれが架空なのか全く判断が付きません。別に判断がつかなくてもよめるっちゃ読めるのですが、どの組織がどういう目的で動いていて、解説は後でありそうかどうかがわからないので非常にぼんやりとした知識で読まなければならなくなります。ちなみに名前が憶えづらい上にたくさん出てくるのでぼんやりさに更に拍車がかかります。

 色々書いてきましたがつまりは私の努力不足です。隙間時間に読~もおっ!なんて思ってたのが間違いでした。ちゃんと読めた方からすればこんな記事は恥にしかならないと思いますが自分への戒めとして残しておきます。いつか再挑戦したいです。